フェニックスからツーソンへの
ドライブ旅行記

 フェニックスからツーソンまで、距離は約200キロ。現地で買ったガイドブックによると、一本道のフリーウェイ10号線をひたすら走るだけなので2時間弱で行けるとのことでした。
 僕は元々、日本でもあまり車で遠出をする方ではないため、長距離の運転は慣れていません。なので時間に余裕を持って、気になる場所で気の向くままに寄り道をしながらのんびりとドライブすることにしました。

 フェニックスでの宿泊ホテル「アメリスイーツ・アリゾナミルズ」は、フリーウェイ10号線の乗り口が近いため、ホテルを出て信号一つ左折するだけ、2〜3分でこのフリーウェイに乗ることができます。早めに起き、近くのカフェで朝食後、10時過ぎくらいに10号線南向きに乗り、一路ツーソンを目指しました。
 「いかにもアリゾナ!」と思えるような真っ青な青空が広がる壮大な景色の中、「周りに何もない一直線のハイウェイ」を、まずは20分ほど走ったところで、早くも、景色の変わらない直線道路をひたすら走るだけという単調な運転のせいか、眠気が襲ってきました。
 「これはまずい」と、ひとまずハイウェイから降り、どこかに車を停めて休憩することにしました。しかし、何もないところではおもしろくないので、飲食店やガソリンスタンド(コンビニが併設されている)がある所で降りようと、降り口案内の看板がある(『Food』と書いてあったり、お店のロゴマークが表示されているのでわかりやすいです)のを目印に、ひとまず降りました。走り出してまだ30分ほどでした。

 降りた所は、ファミリーレストランの「デニーズ」と、コンビニ、ガソリンスタンドがある所で、コンビニの駐車場に車を停め、飲み物を買い、少し車の中で休みました。しかし駐車場で休むことに慣れていないためかあまり落ち着くこともできず、10分ほどでまたすぐに走りだすことにしました。またハウェイに乗り、ちょっと進んだ所のすぐ右手の道路脇に「アウトレットセンター」という看板を発見。「さっきの所じゃなくて、こっちで降りてみればよかったな・・」と思いつつ、でも、時間には余裕があるので、せっかくなのでちょっと寄ってみることに。
 ここは「Tanger Outlet」というところで、店舗数は約40店舗と小規模ながら、「GAP」や「GUESS」のアウトレット店がある他、アリゾナに関するグッズを売るお店もあり、そこのお店ではサボテンを形どった様々なグッズなどが沢山あって、楽しめました。建物内にはビジターセンターもあって、ここでは色々なパンフレットが入手できました。フェニックスに滞在中は、ツーソンに関するパンフレットが置いてある所はなかなかなくて困りましたが、ここでは、ツーソンに関するパンフレットも多数揃っていました。

 思わぬところで楽しい買い物や資料を入手することが出来て、眠気も少し覚めたところで、目的地に向かってまた進み出しました。道中は若干起伏があるものの、とにかく直線道路が続き、気を抜くとすぐにまた眠気が襲ってきそうです。そんな道のりでしたが、途中、家を運んでいる車(冗談みたいですが、本当です。ゆっくり走っているので左から追い越すのですが、その車はかなり横幅が広く、道路のかなりの部分を占領して走っているので、追い越すのにちょっと神経を使いました。)を何台も見かけたり、延々と続く長〜い貨物列車と並走したり、道中、ハイウェイの脇に、何百頭もの牛の群れや、信じられないほどたくさんの飛行機が停まっているのを見ました。(後で知ったのですが、そこは「飛行機の墓場」として、アメリカでは結構有名な観光スポットなのだそうです)。
 ツーソンまでは本当に単調な道のりですが、色々な景色を見たり、何度か休憩したりしながら、ドライブを楽しむことができました。

 ツーソンの街に近づき、あと少しと思っていた矢先、また強烈な眠気が襲ってきました。無理をしてもいけないので、また一旦ハイウェイを降り、コンビニでお菓子とジュースを買って、車の中で少し休憩しました。コンビニには、缶やペットボトルのジュースももちろんありますが、すぐに飲むのであれば、ドリンクマシンで氷を好きなだけ入れ、コーラなど自分の好きなものを自分で注いでフタをして、レジに持って行きお金を払うというタイプの物の方がなんとなく美味しくて、アメリカっぽくて、経済的です。(料金はお店によって若干の違いはあるものの、大きなサイズのカップでも1ドル前後であることがほとんどです)このドリンクマシンのそばにはホットドッグ(やはり自分でソーセージをパンに挟んでレジでお金を払うという方式です)があったり、ブリトーなどの軽食があって電子レンジで温めれるようになっていたり、いわゆる「ジャンクフード」が嫌いでなければ軽食を取るのには困りません。また、トイレも気軽に利用できるようになっています。アメリカのこのようなお店のトイレは清潔でないことが多いのですが、アリゾナでは、比較的清潔なトイレが多かった気がします。(注意点としては、トイレによってはあらかじめドアノブに鍵が刺さっていて、その鍵を抜いてトイレに持って入るようになっていることがあります。鍵が刺さっていない場合は「使用中」ということですが、もちろんそのような形式になっていないトイレもありますので、ドアの開け方や鍵のかけ方がわからない場合は店員さんに聞きます。)

 コンビニで買ったお菓子をつまんだり、コーラを飲みながら、ツーソン市街地の少し手前、「Speed Way」という通りでハイウェイを降りました。はるか遠くにツーソン中心部の高層ビル群がうっすらと見えますが、手前のこの辺りは本当に「辺り一面がサボテン」という景色で、道路も曲がりくねった起伏の激しい山道が延々と続きます。
 ツーソン近郊の山道をドライブしながら、始めはサボテンの大群が珍しくて写真をいっぱい撮っていましたが、段々と慣れてきて、おもしろい形のサボテンを見ては、「今にも歩き出しそうだな・・」なんてことを思い、「ひょっとしたら夜になったら歩いてるんじゃないか!?」なんて、サボテンが大きく手を振って歩いている姿を想像してちょっと楽しくなり、そんなサボテン達に囲まれたこの通りを西に向かってしばらく走ると、右手に「International Wildlife Mueseum」が見えてきました。周りには、どこを見渡してもとにかくサボテンばかりの山なので、ポツンと建っている大きなこの建物はとても目立ちます。
 ここは、野生動物や蛇や蜘蛛などについての博物館で、建物内には小さなフードコートとグッズ売場、ちょっとしたシアターなどもあり、興味のある方には楽しい所なのでしょうが、実は、爬虫類などが大の苦手な僕は雰囲気だけ味わって早々に退散することにしました。(入館料は7ドル。グッズ売場やフードコートのみ利用する場合は入館料は必要ありません)

 この博物館が面している「Speed Way」という通りを更に西に進むと、西部劇の撮影に多く使われている「オールドツーソンスタジオ」や、砂漠をテーマにした博物館「アリゾナ・ソノラ・砂漠博物館」などもあるようですが、今回はそこまで行かず、来た道を引き返し、ツーソンの中心部を目指すために一般道(メインSt.)を南に向かいます。中心部に近付くにつれて近代的なビルが建ち並んだ「都会」の景色になりますが、一歩外れると一気に雰囲気が違い、古い街並みがそのまま残っている、都会と田舎が狭い地域の中で背中合わせになっているような、そんな印象を受けました。オフィス街と住宅街が、これほどまでに雰囲気の違う街も珍しいと感じました。

 ツーソンの街を後にし、ガソリンの残量がちょっと気になったのでハイウェイに乗る直前に10ドル分だけ給油をしました。お金を支払うために入ったコンビニで、店員さん2人とお客さん2人が当たり前のようにスペイン語で会話しているのを見て、この街がメキシコの国境に近いんだということを改めて実感しました。ツーソンでは街のあらゆる所で、英語とスペイン語の併記になっているものを見かけました。フェニックスでも併記されている所はいくつかありますが、ツーソンでは、更にスペイン語の割合が高いように思いました。

 ツーソンの街を一通り周ったところで、3時ごろでしたが、明るいうちにフェニックスに戻りたかったためフリーウェイの10号線北向きに乗りました。行きに走った道ですが、逆向きに走ると景色もまた違って見えます。しかし走っているとやはりまた眠くなってしまい、一旦ハイウェイを降りてコンビニの駐車場に車を停め、少し仮眠をすることに。眠ったのは15分ほどですが、かなり熟睡して頭もすっきりしました。その後コンビニでジュースとアイスクリームを買って、ここからはノンストップで一路フェニックスを目指します。途中、中央分離帯が広くなっている部分があり、なおかつその分離帯部分が少し窪んでいる所があったのですが、そこでなんと、パトカーが1台ひっそりと待機していました。おそらくスピード違反の取り締まりのために隠れていたのだと思うのですが、一直線の見晴らしのいい道路が続くため、どうしてもスピードを出しすぎてしまいがちなので気をつけなくてはと改めて気を引き締めながら走行し、それでも明るいうちにフェニックスに無事到着しました。

 フェニックスからツーソンへのドライブは、片道2時間ほどの単調な道のりですが、ただ移動するだけでなく、その道中にもアウトレットや観光スポットがあり、色々と楽しめるオススメなドライブコースではないかと思います。アリゾナらしい景色を楽しみながら道中にふと立ち寄ってみたりするなど、ゆったりとアメリカの広大さを感じながら、いつかまたぜひ走ってみたいです。


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